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2007年01月02日

おせちの残り、お雑煮ほか

NHKの歌舞伎座生中継で勘三郎の『鏡獅子』を見ながら食事。
ちょうど去年の正月に歌舞伎座の特別舞踊会で見た勘三郎の『鏡獅子』は驚くほど不出来だったし、先月の京都顔見世の『娘道成寺』も見巧者の間でさんざんの評判だったから、この役者も今後は一体どうなることやらと案じられたが、今日はさすがに引き締まった舞台を見せられてほっとひと安心である。去年の『鏡獅子』は前から4列目のど真ん中で見たにもかかわらず気持ちがちっとも集中できなかったのに対し、今宵はTVの画像を通しても気を逸らす暇がないほど充実していて、「時しも今は牡丹の花の」以降で躰の使い方に少し品が無くなるのは気になるものの、全体としては間然とするところのない仕上がりだった。まあ、歌舞伎座の正月興行でこの人の『鏡獅子』がまずかったら歌舞伎はもうオシマイで世界遺産から外したほうがいいくらいだが……。
 ところでゲストの山田洋次監督が今後歌舞伎の映像化にかなり積極的に取り組んでいくらしい松竹の方針をアピールしたのはともかくも、現在上映中の『武士の一分』の映像まで流したにのはちょっとビックリで、以前のNHKなら一私企業の宣伝にひと役買うようなことは決してしなかったはずである。こうした点のモラルを甘くしつつ、なおかつ受信料支払いの国民義務化を目論むってどうよ!と正月早々私はその矛盾にいささか呆れてしまったのであります。 


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コメント (2)


新年おめでとうございます。本年も「松井さんの食卓」を楽しみにしております。ところで、私は勘三郎の『鏡獅子』を客席で見ていましたが、昼の部の『喜撰』のときから「あれっ?」という感じでした。彼があそこまで張り詰めて勤めるのを、近年久しぶりに(あるいは初めて)観たかもしれません。こういう引き締まった舞台を、いつもの愛敬を失くさずに出来るようになってくれたらな〜とせつに思います。

投稿者 ふみ : 2007年01月03日 12:17

>こういう引き締まった舞台を、いつもの愛敬を失くさずに出来るようになってくれたらな〜とせつに思います。

同感です。この人は観客を舐めさえしなければそれが出来るはずの役者だと思います。

投稿者 今朝子 : 2007年01月03日 23:46

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