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2006年09月10日
大阪寿司、もっちり豆腐
乗馬の帰りに東横のれん街でゲット。
いやーマイッタマイッタって感じにチョー蒸し暑い今日も乗馬クラブは満員で、ホント馬たちも気の毒である。
クラブはうちから電車で1時間以上かかって、なにせ仕事がらふだんずっと家にこもってるので、このちょっとした小旅行がいい気分転換になるし、自然にも触れられるし、車中で本を読んだりするのも楽しいけれど、それよりはるかに面白いのが他人様の観察である。こういうとなんだか悪趣味のようだが、たぶん大概の物書きは見ず知らずの他人のしぐさを観察したり、その話に耳を澄ましたりして何かと筆のネタにしてるに相違なく、私が今書いているのはもっぱら時代小説でストレートなネタに使うことはまず無いからお許し願いたいとひそかにお断りしながら、絶えずきょろきょろしているのである(笑)。
で、今日は横に座ったふたり連れの女性の話につい耳を澄ましてしまった。しゃべるのはもっぱらひとりの中年女性で、東北系アクセントの、ちょっと宗教っぽい話し方をするひとだった。なぜ宗教っぽいと感じたかといえば、次から次へと色んなエピソードを披露して、その最後を必ず「だから私たちはまだ幸せだと思わなくちゃねえ」と締めくくるからである。
「そりゃあなた幸せそうに見えてる家だって、びっくりするような不幸があんのよ。私の知り合いのおうちは立派な息子さんがいてね、筑波大学を出て、一流企業にお勤めして、親御さんは万々歳だったのよ。それがねえ、あなた、会社で保険関係の仕事を任されてて、会社が何かマズイことやってるのを見つけたしくてね、ずいぶん悩んでたそうなんだけど、ある日行方不明になって、全然見つからなくて、2週間たってから、東京湾に死骸が浮かんだってのよ」という話に私はギョッ!となった。「で、親御さんは正義感の強い息子だったから、上にそれを話して、会社に殺されたにちがいないってんだけど、警察は結局自殺で片づけたんだってさ。ひどい話でしょう。だから私たちはまだ幸せだと思わなくちゃねえ」って、おいおい、そんなふうに片づけていい話なのかよ!と私は叫びそうになりながら、それからすぐに大宮駅で降りたそのふたりを虚しく見送ったのであるが、ルポライターか土曜ワイドのシナリオライターか現代物のミステリー作家なら間違いなくあとを追いかけただろうと思う。
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