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2006年05月11日

似せ者

にせもん
2002年 講談社
1800円(税別)
ISBN4-06-211464-X


収録作=「似せ者」にせもん/「狛犬」こまいぬ/「鶴亀」つるかめ/「心残して」こころのこして


 芝居の世界に生きる人間たちの虚実や愛憎、生き様に、さまざまな角度から光を当てた作品集。一世を風靡した花形役者、坂田藤十郎のソックリさんが登場する表題作。コンビで売り出すことになった、対照的な役者二人をとりあげた「狛犬」。 「鶴亀」では、一世一代の引退興行を繰り返す役者の執念が描かれる。さらに、江戸から明治への大きな転換を、一人の三味線弾きの男を通して見つめる「心残して」と全4作を収録。京、大坂、江戸と、三都の芝居町が背景に描かれている。


キャラクターガイド

与市 よいち

 名優、坂田藤十郎の番頭を務めた男。藤十郎亡き後、そのソックリさんを二代目に仕立て上げる。

→「似せ者」

桑名屋長五郎 くわなやちょうごろう

 坂田藤十郎にそっくりということで人気を集めた、旅回りの役者。本物の二代目として、京の芝居小屋で大評判となるが……。→「似せ者」

市村助五郎 いちむらすけごろう

 敵役として腕を買われる役者。広冶と組んだ相撲の場で、意に反して、相手を引き立てる側にまわる。→「狛犬」

大瀧広冶 おおたきひろじ

 見端はいいが、不器用で目立たない役者だったが、助五郎とのコンビで人気が出始める。子供のような、純な心をもつ男。→「狛犬」

嵐鶴助 あらしつるすけ

 大坂中にその名を轟かす人気役者。50の歳で引退を決意するが、その興行が当たりをとって、いっそう舞台に執着するようになる。→「鶴亀」

亀八 かめはち

 道頓堀・角座の興行を取り仕切る興行師。かつては鶴助の弟子で、師匠の一世一代を盛大な興行にしようと奔走する。→「鶴亀」

杵屋巳三次 きねやみそうじ

 芝居の囃子方を務める三味線弾き。江戸から東京へ、町も芝居も激変期を迎えるなか、三味線ひと筋に生き抜いていく。→「心残して」

神尾左京 かんのさきょう

 旗本の家に生まれながら、ときに芝居小屋で自慢の喉を披露する男。巳三次は、類まれなその声に惹かれていく。→「心残して」